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ここにはかつて慈善病院があったが、第1次世界大戦でフランスに味方したイスラム教徒をたたえ、フランス政府の援助によって、1922年から1926年にかけてモスクが建てられた。高さ33mの四角い塔(ミナレット)と入口の上にある星と月のマークが目印だ。入口を入ると庭がある。右にはモスクの正門があり、そこを入ると、回廊で囲まれた泉のある中庭に出る。回廊の壁には、極彩色の花模様のモザイクやアラベスク模様のイスラムの詩、漆喰の透かし彫りが施されている。オリエント特有の装飾が、異国情緒を醸し出している。イスラム教は偶像崇拝を禁じているので、彫像も画像もない。その代わり、すばらしい幾何学模様や、植物をデザインしたモザイクで飾られている。見学者は奥の礼拝場には入れないが、中庭から垣間見ることができる。礼拝場の左側に奥まった部分があり、そこがメッカの方向を示す場所。信者はその方向に向かって礼拝する。男性は左側、女性は右側と決められているそうだ。モスクの一画にはサロン・ド・テもあるので、甘いミントティーを飲みながら、ゆったり流れる時間を感じてみたい。