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アラブ世界との文化交流を目的として建てられた地上10階、地下3階、総ガラス張りの建物。図書館、シネマテーク、また企画展を行うIma博物館Musée de l'Imaがある。企画展も興味深いが、何といっても建築自体がユニークだ。壁面を覆うガラスのパネルは、太陽の光に応じて自動的に開閉し、さまざまなパターンを描く。モスクのモザイクを思わせるようなアラベスク模様を描いたり、幾何学的な姿を呈したり。建物全体が軽やかな可動空間となって、パリの空に溶け込んでいくようだ。設計者のジャン・ヌーヴェルは以前こう言った。「見えるものの背後にある見えないものを見る必要がある」。ソリッドな建築物ではなく、見えない光を呈示する空間は、まさにヌーヴェルの言葉を体現しているといえる。また、屋上テラスからの眺望は最高。訪れる観光客が少ないので、広がる景色を静かに堪能できる穴場的スポットだ。レストランで食事をしながらパリを見下ろすのもいい。