キーワードで検索
パリではサン・ジェルマン・デ・プレ教会、サン・マルタン・デ・シャン教会に次ぐ古い教会であるサン・ピエール・ド・モンマルトル教会St-Pierre de Montmartre。この教会の西側正面付近にあるのが、テルトル広場Pl. du Tertre。
テルトル広場は、モンマルトルが1860年にパリ市に編入されるまで村の中央広場だった。3〜5番地がかつての村役場。
19世紀末から20世紀初めにかけて、パリ中心街に比べて家賃が安いモンマルトルに、多くの画家たちが移り住んだ。ルノワール、ロートレック、ピカソ、モディリアニ、ユトリロ、ゴッホら、モンマルトルを愛し、その風景を描いた画家たちの名前を挙げればきりがないほど。近代美術の流れを変える作品の多くがモンマルトルで生まれたといえる。
時は過ぎ、モンマルトルが芸術の拠点だった時代は終わった。現在のテルトル広場には、みやげ用の絵売りや似顔絵描き、そしてたくさんの観光客であふれている。かつてののどかな芸術村の面影をしのぶなら、観光客の少ない早朝に訪れよう。広場周辺に点在する芸術家たちの足跡をたどって散策するのもいいだろう。
広場では、スケッチブックを片手に似顔絵描きたちが、片言の日本語で「似顔絵描くよ」と話しかけてくる。イヤならばキッパリ断ろう。記念に描いてもらうときも、飾ってある作品を見て、自分の好みに合う画風の人に頼むといい。値段の交渉は、最初にしておくこと。
広場で似顔絵や絵画販売ができるのはパリ市の許可証をもつ正規の作家だけ。広場の外側で画板をもって立ち歩き、客引きをしているのは違法のニセ絵描きだ。ボッタクリ、スリの危険もあるので要注意。