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サン・マルタン運河は、パリ北東部のウルク運河Canal de l'Ourcqとセーヌ川を結ぶ河川交通のために掘られた運河で、1825年に開通した。運河沿いには、マルセル・カルネ監督の映画で有名な北ホテルHôtel du Nordがたたずみ、すぐそばには緩やかな弧を描く鉄製の歩道橋が架かっている。架けられてから100年以上たっているが、パリ市が毎年ペンキを塗り替えて大事にしているもの。橋の上に立って眺めると、同じ型の小さな鉄橋がほかにも見える。静かで、叙情あふれる景色だ。
そんなパリの下町、サン・マルタン運河界隈が「パリでホットなスポット」として挙げられるようになったのはここ15年ほどの話。それまでは、地元の人々や、運河巡りを楽しむ観光客がメインであったが、流行に敏感な若者がこの界隈に目をつけたことから、おしゃれなカフェやバー、若手アーティストたちのアトリエ、ブティックが続々とオープンした。特に夏の運河沿いは、読書や日光浴を楽しむ若者や家族連れでいっぱいになる。
流行のスポットとなった今も、川は静かに流れ、遊覧船は趣ある鉄橋の下をゆっくりと進む。パリの中心から少し外れるだけあり、そこには「パリの日常」がある。
サン・マルタン運河にもクルーズ船があり、セーヌ川クルーズとはまた違った情緒を味わうことができる。上流
と下流では25mの高低差があるので、途中の水門で水位調整をしながらゆっくりと進んでいく。所要時間は約2時
間30分なので、半日のんびり過ごしたいときにおすすめ。要予約。
カノラマ
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