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サン・マルタン運河沿いを北に向かって歩いていくと、やがてパリ最大の人工池であるラ・ヴィレット貯水池に出る。19世紀初頭に、サン・マルタン運河とウルク運河を結んで航行する船のドックとして造られた。
貯水池の手前の広場には、ラ・ロトンド・スタリングラードLa Rotonde Stalingradと呼ばれる円形の不思議な建物が建っている。18世紀末にパリに入ってくる物品から税金を徴収するために建てられた関門の一部で、「幻視の建築家」として知られるニコラ・ルドゥー(1736〜1806)の、現存する数少ない作品のひとつだ。ただし、建築後すぐにフランス革命が起こってしまったため、関所として使われたのはわずか数年間。兵舎や塩倉庫として利用されたあとは長らく放されていたが、2011年にレストランとして再生した。200年前の建築とは思えないモダンな空間で食事やディスコを楽しめるとあって、人気のスポットになっている。夜のライトアップに浮かび上がる姿は何とも幻想的で美しい。
ラ・ヴィレット貯水池の両岸には映画館MK2が2館向かい合って建つ。また、夏には人工ビーチ「パリ・プラージュ」が出現し、日光浴やボート遊びの家族連れでおおいににぎわう。
サン・マルタン運河にもクルーズ船があり、セーヌ川クルーズとはまた違った情緒を味わうことができる。上流
と下流では25mの高低差があるので、途中の水門で水位調整をしながらゆっくりと進んでいく。所要時間は約2時
間30分なので、半日のんびり過ごしたいときにおすすめ。要予約。