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13世紀初め、アッシジの聖フランシスコが巡礼の途中に、泉のそばに建てた藁葺きの小さな礼拝堂が起源とされる。その跡地に18世紀、カルロス3世の命により円形の教会が建てられた。 彫刻が美しい木の扉を入ると、正面に主祭壇、周囲に6つの礼拝堂を配する円堂に出る。直径32mにも及ぶ巨大なクプラはマドリードで最大のものだ。円堂を囲む6つの礼拝堂はそれぞれ装飾様式が異なり、個性の強い印象的な祭壇画が多い。主祭壇に向かって左側、扉からひとつ目の礼拝堂にはゴヤの描いた『サン・ベルナルディーノ・デ・シエナ』がある。聖者がアラゴン王アルフォンソ5世に説教している絵だ。向かって右端のこちらを見つめている黄色い衣の男がゴヤ。まだ宮廷画家になる前、タペストリーの下絵を描いていた頃だ。 主祭壇裏の廊下は小さな美術館のようになっており、聖フランシスコの生涯を描いた作品のほか、スルバランの『聖トマス・アキナスの来訪を受ける聖ブエナベントゥーラ』などが並ぶ。