ドメーヌ・ド・トリアノン

更新日
2022年10月23日
公開日
2022年10月23日
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運河の北側に位置するドメーヌ・ド・トリアノンは、グラン・トリアノン、プティ・トリアノン、王妃の村里からなるエリア。きらびやかな宮殿とは対照的に、堅苦しい宮廷生活に疲れた王家の人々が息抜きをした場所だ。

グラン・トリアノンGrandTrianon

グラン・トリアノンは、ルイ14世が愛人のマントノン夫人と過ごすために建てさせたもの。ルイ14世の主席建築家マンサールの設計で1687年に完成した優美なイタリア風邸宅だ。バラ色の大理石でできた美しい列柱回廊は、ルイ14世の発案で生まれたという。フランス革命でルイ14世時代の調度品はすべて失われたが、ナポレオン1世が使っていた頃の調度が保存されている。

プティ・トリアノンPetitTrianon

新古典主義の傑作、プティ・トリアノン

ヴェルサイユ宮殿に生きたあまたの女性たちのなかで最も有名な人物といえば、何といってもマリー・アントワネットだろう。プティ・トリアノンとその庭園には彼女の思い出がいっぱいに詰まっている。

プティ・トリアノンは、もともとはルイ15世の愛妾ポンパドゥール夫人の発案で建てられた城館で、1774年にルイ16世によりマリー・アントワネットに贈られた。堅苦しい宮廷のしきたりを嫌った彼女は、友人や家族だけで親密な時間を過ごすことができるこの別邸をこよなく愛したという。現在はマリー・アントワネットがヴェルサイユを去ったときの様子が再現され、宮殿本館とは正反対の軽やかで可憐な内装に彼女の繊細な趣味がよくわかる。

庭園の中には、演劇好きのマリー・アントワネットが造らせ、ときにはその舞台にも立った王妃の劇場Théâtre de la Reineがある。プティ・トリアノンの裏側には、人工の湖や小川、洞窟、見晴し台のあるイギリス式庭園。そこには、マリー・アントワネットと愛人フェルセンの密会の場所だった愛の神殿Temple de l'Amourがたたずむ。

ハープが置かれたお供の間
明るく清純なイメージの王妃の寝室

王妃の村里HameaudelaReine

マリー・アントワネットが愛した村里の一角にある王妃の家

さらに奥まった庭園の外れは、素朴なわら葺き農家を集めた王妃の村里。王妃の家Maison de la Reineや水車小屋Moulinからは、派手好きというイメージとはうらはらな、彼女の田園趣味がうかがえる。ここで彼女は子供たちと擬似農村生活を楽しんでいた。豪華絢爛の連続にうんざりした観光客にも、ほっとするようなやすらぎを与えてくれる場所だ。

王妃の家

明るい黄色でまとめられた王妃の家のサロン

ファッションブランド「ディオール」の支援で、2018年に修復工事が完了し、ガイド付きツアー(仏語)での内部見学が可能になった。外観はわら葺き屋根の田舎家だが、内部は離宮プティ・トリアノンを思わせるエレガントな造りだ。所要約1時間30分。ウェブサイトで要予約。料金 €10

写真

  • バラを持つマリー・アントワネットの肖像画
  • 川の中州に建つ愛の神殿
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