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もともとはパリの王族がここの森で狩りを楽しんだときに泊まる小さな家だった所へ、フランソワ1世からナポレオン3世まで歴代の君主が次々と建物を継ぎ足してできたのが今の城。だからこの城をひと回りすると、中世から19世紀初頭までの建築様式をパノラマ式に見ることができる。
城の内部も歴代の王による装飾が幾重にも塗り込められているが、基調は何といってもルネッサンス様式。なかでも、フランソワ1世の回廊Galerie François 1erと、舞踏の間Salle de Balの壁画・天井画は圧巻だ。16世紀初め、フランソワ1世が招いたイタリア人芸術家の影響で、この城を舞台に花開いたのが、「フォンテーヌブロー派」と呼ばれる、官能的で優美な芸術様式。『ガブリエル・デストレとその姉妹 ビヤール公爵夫人とみなされる肖像』(ルーヴル美術館蔵)はその代表作だ。
時代は下って、ナポレオン1世もこの城をこよなく愛したひとり。正面の馬蹄形の階段は、彼がエルバ島へ流される前に、近衛兵たちに別れを告げた場所として知られる。彼が居住した小居室群Petits Appartementsはガイド付きツアーで見学できる。
城の見学が終わったら、庭園をゆっくりと散策してみたい。ヴェルサイユの庭園を設計したル・ノートルによる花壇Grand Parterre、カトリーヌ・ド・メディシスが造らせたディアヌの庭園Jardin de Diane、イギリス庭園Jardin Anglaisと、それぞれ趣の違いを楽しめる。