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ブロワで生まれたルイ12世がフランス王に即位した1498年から、アンリ4世が宮廷をパリに移すまでの約100年間、ブロワ城はフランス王の第1城だった。5世紀にわたって増改築が繰り返されたため、さまざまな建築様式が混在していて、さながら建築博物館のようだ。
駅から高台に上っていくとたどり着く広場Pl. du Châteauに面して、れんがと石造りの美しい城館が建つ。1500年頃にルイ12世によって造営されたルイ12世棟で、建築様式は後期ゴシックのフランボワイヤンスタイル。
その十数年後の1515年にフランソワ1世の命で着工されたのが、フランソワ1世棟だ。中庭に立つとまず目に留まるのが、八角形のフランソワ1世階段。ところどころに火トカゲ(フランソワ1世のシンボルマーク)を配したこのらせん階段は、初期ルネッサンスの傑作に数えられる。ルイ12世棟と比べれば、ルネッサンスの風潮が、当時この国でいかに急速に広がったかがわかるだろう。
中庭の奥にあるのがガストン・ドルレアン棟。ルイ13世の弟オルレアン公ガストンによって1635年から1638年にかけて建てられた古典様式の典型的建築物である。
この城で繰り広げられた数々の事件のなかでも最も有名なのは、1588年のギーズ公暗殺だろう。パリ市民の人気を博し王位をうかがおうとしたギーズ公は、国王アンリ3世の命による20人の刺客に取り囲まれ、あえない最期を遂げた。フランソワ1世棟には、ギーズ公が殺害された部屋が残されている。
4月上旬〜 9月下旬の夜にブロワ城で行われる「音と光のスペクタクルSon et Lumière」は見逃せない。約45分間、城の外壁全体に映像が映し出され、幻想的なムード満点だ。