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阿里山は台湾で最も人気がある観光地のひとつ。単体の山の名前を指すのではなく2000m級の、尖崙山、祝山、対高岳山など約20の高山から構成されたエリア一帯を指す。最高峰は2663mの大塔山。
神木と呼ばれる巨木の森や祝山での御来光見物、春を彩る満開の桜、山並みをぬって走るレトロな森林鉄道、原住民ツオウ族の文化など、阿里山には自然の豊かさと歴史文化を感じさせる多くの見どころがある。また花のような香りがする阿里山高山茶や、阿里山コーヒーの産地でもある。ほとんどの地域が2000m以上の高地にありながら、観光設備も十分に整い、安心して訪れることができるのも人気の理由だ。一般の観光地としては阿里山森林鐵路の沿線と阿里山森林遊樂區がメインとなる。
阿里山駅から沼平駅、神木駅周辺の海抜2000mを超えるエリアで、ホテルなども多く、阿里山観光の中心となる遊樂區。台湾檜や紅檜など樹齢800年から2000年を超える巨木が立ち並び、なかには「神木」と呼ばれるほど巨大なものもある。常に霧が漂い、木漏れ日揺れる遊歩道を歩けば、神秘的な雰囲気を十分感じられることだろう。遊樂區を歩く際のカギは高低差。まず沼平線で最も高所にある沼平駅へ行き、巨木群桟道などを散策しながら神木駅まで歩けば道程は下りのみ。この間約1.5km、ゆっくり歩いて1時間30分程度。神木駅からは神木線に乗って阿里山駅に戻ることができる。逆のコースをたどると最後まで上りのみで、非常にきつい。巨木群桟道散策は、象鼻木から歩き始めるとわかりやすい。三代木を過ぎると小さな木造の阿里山博物館がある。そこから右へ巨木群桟道(1)が神木駅まで続いている。また三代木の先の分かれ道を右へ行くと、巨木群桟道に続いている。
嘉義から2000mの高度を上り阿里山にいたる狭軌の山岳鉄道が、阿里山森林鐵路だ。2020年3月現在、残念ながら全線運行はされていないが、線路の修復が進められ、十字路駅までが運行可能になっている。前身は、日本統治時代に阿里山の森林資源に目をつけた台湾総督府が敷設した木材運搬用の鉄道。1904年から建設が始まり、1912年には主線がほぼ開通した。敷設は難工事で、急勾配を緩和するループ線や折り返し式のスイッチバックを多用していた。この鉄道で運び出された阿里山の檜の大木は、日本の名だたる寺社の建材に使われた。戦後は観光客を運ぶ旅客鉄道として活躍し、1986年には御来光見物客を運ぶ祝山線も開通したが、度重なる地震や水害により不通となる区間が多いので、最新情報は公式HPなどで必ず確認しよう。
日出の約1時間前に阿里山駅から運行される「日の出列車」の利用が便利。シーズンによって発時間が変更となるため、必ず事前にHPで確認しよう。https://afrch.forest.gov.tw/Ja 終点の祝山駅(標高2451m)の目の前に展望台があり、そこからの景色が絶景。
辺り一面をオレンジ色(黄金色)に染める夕日。晴れた日に夕日が山肌を染めながらゆっくりと山間に沈んでいく様子はまさに神秘的。雲海がが発生するタイミングと夕日の時間が重なると、雲で夕日の光が反射されまるで雲が燃えているような不思議な景色を目にすることもできる。
11~4月が雲海がもっとも出現しやすいシーズン。山間部の気流が不安定な時は「雲瀑」とよばれる雲が滝のように流れる様子を見ることもできる。阿里山の雲海は台湾八景のひとつにも数えられている。
日本統治時代に木材を運ぶために整備された森林鉄道で、現在では阿里山へのアクセスに必要不可欠な交通手段となった。インドのダージリン・ヒマラヤン鉄道、チリとアルゼンチンを結ぶアンデス山鉄道とともに世界三大登山鉄道のひとつとされている。
阿里山には樹齢が1000年を超える台湾ヒノキや紅檜が多く群生している。散策するには晴れた日が望ましいが、雨や霧が出ている時はより神聖な雰囲気を醸し出す。