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トラファルガー広場Trafalgar Square とパーラメント・スクエアParliament Square を結ぶホワイトホール通りは、右も左も官庁舎。よく見ると壁面に偉人の肖像が彫刻された、威厳に満ちた建物が続いている。この通り名の由来ともなったホワイトホール宮殿Whitehall Palace の敷地は、東はテムズ河から西はセント・ジェームズ・パークSt. James's Park、北はチャリング・クロス駅から南は国会議事堂Houses of Parliament まで及ぶ巨大なものだった。1698 年に起きた火災でそのほとんどが灰になったが、唯一焼け残ったのがこのバンケティング・ハウス。イギリスを代表する名建築家のひとり、イニゴー・ジョーンズInigo Jones が1619 年にジェームズ1世JamesⅠのためにデザインした。見どころはルーベンスが描いた大天井画。これは、1629 年に外交使節としてロンドンに来ていたルーベンスに注文したもの。 当時はおもに宴会や儀式に使われていたが、清教徒革命でチャールズ1世CharlesⅠがクロムウェルCromwell にこの前で処刑され(1649 年)、その子チャールズ2 世CharlesⅡはここで王政復古をなしとげた(1660 年)。今では、そんな大事件の舞台になった場所とは感じさせず、静かにたたずんでいる。