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小高い丘がひとつの地区になったモンマルトル。ノスタルジックなパリが詰まった「パリの中の小さな村」ともいわれている。丘の上に白亜のサクレ・クール聖堂をいただき、入り組んだ路地裏にはカフェやパティスリー、雑貨店などが点在し散策にぴったりの界隈です。高低差のあるモンマルトル観光で重宝するのがフニクレール(ケーブルカー)。丘の頂上にあるサクレ・クール聖堂前と丘の麓を結んでいます。
モンマルトルは、多くの芸術家に愛された場所でもある。19世紀半ば、家賃の安いモンマルトルに住んだ芸術家のなかには、ピカソやゴッホもいた。彼らが制作に励んだアトリエ「洗濯船Le Bateau-Lavoir」は焼失してしまったが、ルノワールの作品の舞台となったダンスホール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットMoulin de la Galette」の風車は今も残る。木漏れ日の下、夢見心地で踊る女性たちを思い浮かべながら歩きたい。
芸術家たちが通ったシャンソニエ「オ・ラパン・アジル」、ゴッホが『モンマルトルのガンゲット』で庭を描いたレストラン「オーベルジュ・ド・ラ・ボンヌ・フランケットAuberge de la Bonne Franquette」、ユトリロが描いた「コタン小路Passage Cottin」、さらに、ピカソのアトリエやゴッホと弟テオが住んだアパートなど、モンマルトルが芸術の町だった頃をしのばせる場所を探してみるのもいい。
2001年に公開された映画『アメリ』が大ヒットを記録すると、舞台となったモンマルトルはさらなるにぎわいに。ロケ地となった「カフェ・デ・ドゥー・ムーラン」や、八百屋「オ・マルシェ・ド・ラ・ビュット」もいまやモンマルトルの名所となっている。カフェのあるルピック通り界隈は、サクレ・クール聖堂周辺と違って観光客も少なく、庶民的な商店街の雰囲気をたっぷり味わえる。