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「マレMarais」とは沼沢地の意。セーヌの流れが徐々に変わり、そのために残された沼地だったことからその名がついた。中世の頃には開拓が進み、修道院なども建てられた。今も残る最古の館はサンス館。サンス大司教のパリの館として1475年から1519年に建てられた。
ルーヴル宮にも近いこの界隈は、国王の権威が強まるにつれて、その重要度を増してくる。とりわけ17世紀にヴォージュ広場が完成すると、マレ地区の人気は一気に高まり、貴族たちはこぞって美しい広場の近くに館を建てるようになった。例えば17世紀建築のシュリー公爵の館、シュリー館は、中庭を抜けてヴォージュ広場に出られる。このように、入り組んだ中世の路地と優雅な貴族の館が混在する、マレ独特の町並みが生まれた。
建てられた館のほとんどは、現在は市や国の所有となっており、博物館や図書館として使われ、当時の雰囲気を今に伝えている。
最も有名なカルナヴァレ館の隣にあるラモワニョン館は16世紀、アンリ2世の王女ディアヌ・ド・フランスによって建てられたルネッサンス様式の館。現在はパリ市史料館Bibliothèque Historiquede la Ville de Parisとなっている。
サレ館は、17世紀の塩の徴税請負人の屋敷で、現在はピカソ美術館となっている。18世紀の建築を味わうならスービーズ館とロアン館。またボーヴェ館は、1763年に7歳のモーツァルトが招かれて滞在した館として知られる
散策はメトロ①St-Paulから始めるといい。メトロ①④⑦⑪⑭Châteletは多くの路線が乗り入れ、出口を見つけるのに苦労することも。初めてなら避けたほうが無難。
マレ地区にはおしゃれなカフェやレストランが多数ある。ユダヤ料理の店が多いのも特徴。
ショッピングセンターの「フォーロム・デ・アール」、フラン・ブルジョワ通りの店の多くは日曜も営業していて便利。
[ショッピングスポット]
フォーロム・デ・アール、フラン・ブルジョワ通り、ランビュトー通り
人通りの多いエリアなので、夜も比較的安心して歩ける。「フォーロム・デ・アール」とポンピドゥー・センターの間は、少し雰囲気がよくない一画もあるので、早足で歩きたい。
ポンピドゥー・センターのトイレは無料で使える。「フォーロム・デ・アール」にも有料だがトイレがある。