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ナショナル・ギャラリーを出たら、こちらにもぜひ寄ってみよう。ナショナル・ギャラリーの正面に向かって右奥、後部に隣接している。肖像画ばかりを集めた美術館で、9000 点近い肖像画のコレクションは、イギリス史のダイジェスト版ともいえる。ある意味ではナショナル・ギャラリーより楽しめるかも。
建物自体はイタリア・ルネッサンス様式。館内の展示は、3 階から下るにしたがって順次年代が新しくなっており、時代区分ごとに壁の色が変えられているので、わかりやすい。
王侯貴族から詩人、音楽家、政治家、俳優さらには新聞記者や科学者まで、有名無名とりまぜて肖像画が並ぶ。油絵だけでなく水彩、デッサン、彫刻から写真まで、表現形式もさまざま。
3 階では、チューダー朝から18 世紀までのイギリス王室の面々に出会える。宮廷画家だったホルバインの手になる『ヘンリー8 世』や『エリザベス1 世』などが有名。王室以外にも、ウィリアム・シェイクスピアの『シャンドス・ポートレート』、蒸気機関の発明をしたジェームズ・ワットや建築家クリストファー・レン、大英博物館のもととなったコレクションを集めたサー・ハンス・スローンの肖像画もある。 2 階には、ヴィクトリア朝からの王族に加え、今世紀の有名人の肖像まで集められている。ビートルズやエルトン・ジョンら、イギリスを代表するミュージシャンが並び、ファッション界からはポール・スミスの姿も。現在の王室コーナーでは、エリザベス女王はもとより、故ダイアナ妃とチャールズ皇太子やキャサリン妃のポートレートも観ることができる。
基本的に無料で入場可能だが、混雑時などに入場できないと面倒。心配だったら予めチケットを予約しておこう。チケットの予約は公式サイトのチケット予約ページから日時指定で寄付金額を選択し購入する仕組みだ。
NPGにはレストラン&バー「Portrait Restaurant」とカフェ「Portrait Café」が併設されている。最上階の「Portrait Restaurant」のガラス張りの窓からは、ナショナル・ギャラリーの屋根越しに、ロンドン・アイやビッグ・ベンを望むこともできる。カフェは軽食や飲み物があるので、ちょっとした休憩に最適。