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ドゥカーレ宮殿と向き合う位置にある1500年代を代表する建築物で、サンソヴィーノの設計による。柱廊、ロッジア、バラスター(手すりや欄干を支える小柱)で飾られ、古典的な荘重さにあふれている。内部には、中世から現代にいたる各種さまざまな分野の書物が収蔵されている。現在もヴェネツィア市民に利用される図書館でもある。その母体は15世紀、東ローマ帝国の陥落後、貴重な文化財が失われることを危惧したひとりの枢機卿が古代ギリシアから中世のおびただしい蔵書をヴェネツィア共和国に寄付したことが始まりだ。1階が図書館の閲覧室、2階は企画展示を行う大広間になっている。2階大広間はティツィアーノ、ティントレット、ヴェロネーゼ、スキアヴォーニなどの絵で飾られている。なかでも天井を飾る21枚のフレスコ画が圧巻。見学は、コッレール博物館内から入場する。2階に展示してある古書はコピーだが、壁面の哲学者たちの肖像画、天井画、玄関ホールの彫像などが見事だ。