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れんが造りの3つの塔からなるチャンパの遺跡(14世紀)。町の中心部から北西へ約7kmの郊外の丘の上にあり、れんが造りの内部には木造の円錐形の鞘堂がある。この形式は古いもので、チャンパの宗教建築が最初は木造で建てられていたことの名残である。その下にはヨニ(女性器の象徴)の上に載ったリンガ(男性器の象徴)があり、リンガの正面には顔が描かれている。これは王とシヴァ神が一体化したことを示すもので、ムカリンガと呼ばれている。チャンパ王国の時代には、このリンガの上から聖水をかけ、その聖水をヨニから受け取る儀式が行われていた。
人里離れた遺跡だが、人々の信仰はあつく、祠堂入口の前にあるナンディン神像(雄牛)の前には、いつもハーブやアレッカ・ナッツが供えられている。毎年10月には地域の住民によって盛大な祭りが催され、大祭のときには祝宴が1ヵ月も続くことがある。
この遺跡は半砂漠状の大地にあり、周りはサボテンが群生している。丘の上から見える牛や馬の放牧地、タップチャム駅の操車場、赤茶色のれんが屋根の家々といった雄大な景観も味わおう。