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30 億年以上も前の先カンブリア代にすでに地球上に存在していたといわれるストロマトライトStromatolite が、今も見られる場所。ストロマトライトとは、光合成をする繊維状の微生物シアノバクテリアの間に、海水中の石灰砂や細かな沈殿物が入り込んで堆積し、成長したものだ。現存するストロマトライトが見られるのは世界的にも珍しく、ハメリンプールほど広範囲に数多く存在する所は世界中でほかにない。その理由は、この湾の海底が隆起していることにある。干満による海水の入れ替えが十分行われず水温が上昇し、水の蒸発を招き、塩分濃度が普通の海水の2 倍以上になっているのだ。つまりストロマトライトを生成するシアノバクテリアの天敵の貝やゴカイが生息できない環境というわけだ。 ストロマトライトは一見すると、上が平べったくなった大きな石のようだ。しかし、今も1 年に約0.3mm というゆっくりとしたスピードで成長を続けている。その大きさからおよそ数千年生き続けていると推測されている。