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静かな広場に面して建つ堂々とした教会。右に11~12世紀の鐘楼が高くそびえ、左には修道院の塔がある。イタリアン・ロマネスクの傑作で、この町ではアレーナと並ぶ代表的建築物。大きなバラ窓(「運命の車輪」と呼ばれる)が際立つ、あたたかな象牙色のエレガントなファサード。正面扉には、ニコロによる(1138年)、新旧の聖書などから題材を取った価値ある24枚の青銅製のレリーフがある。
内部は、暗く堂々としており、アーチ状の柱が連なる3身廊となっている。中央奥には内陣、そこから階段を下りると地下納骨所がある。正面の『十字架刑』Crocifissoは、ロレンツォ・ヴェネツィアーノの作。身廊右側(本来の入口前)には、12世紀の大きな八角形の洗礼盤がある。続く壁には、13~15世紀のフレスコ画が残っている。主祭壇に向かう上部には、7つのアーチの上に『キリストと12使徒』Cristo e Apostoli(13世紀)の像が並んでいる。
この教会で最も貴重なのが、主祭壇のマンテーニャによる三幅対祭壇画『聖母と諸聖人』Madonna e santi。豊かな色彩にあふれ、周囲の彫刻との調和のなかで、まばゆいばかりに輝いている。なお、下に描かれた裾絵の部分は、フランス人により持ち去られ、現在はルーヴルの所蔵。残されている物はコピー。主祭壇左には、『サン・ゼーノ像』(14世紀)がある。
身廊左側(現在の入口)からは、回廊付き中庭へと通じている。