オルサンミケーレ教会

更新日
2023年8月2日
公開日
2023年6月5日
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1240年に小麦市場と礼拝所を兼ねた建物が、アルノルフォ・ディ・カンビオの設計で造られたが、後に火災で消失、当時の建築家たちによって再建された(1337年~)。聖堂のユニークな形は、当時1階にはアーケード式の吹き抜けの市場が、上階には礼拝堂が設けられたことによる。オルティ・イン・サン・ミケーレ(聖ミケーレの菜園)がなまって今日の呼び名になった。最初のペスト流行(14世紀半ば)の後、教会には生き延びた人々から多額の寄付が寄せられ、それを元にアンドレア・オルカーニャに祭壇制作が依頼された。同時に小麦市場は移転されて1階部分は壁で封じられた。

外部壁面には四面にニッチが設けられ、14~16世紀にわたるフィレンツェの優れた彫刻家たちの作品で飾られた。カルツァイウォーリ通りに面した東面は左から『洗礼者ヨハネ』(ギベルティ)、『聖トマスの不信』(ヴェロッキオ)『聖ルカ』、(ジャンボローニャ)、北面は『聖ピエトロ』(ドナテッロ?)、『聖フィリッポ』(ナンニ・ディ・バンコ)、『殉教の4聖人』(同)、『聖ジョルジョ』(ドナテッロのコピー、オリジナルはバルジェッロ国立博物館に)、西面は『聖マタイ』(ギベルティ)、『聖ステファノ』(同)、『聖エジディオ』(ナンニ・ディ・バンコ)、南面は『聖マルコ』(ドナテッロ)、『聖ヤコポ』(ピエロ・ランベルティ)、『バラの聖母』(作者不詳)、『福音史家ヨハネ』(バッチョ・ダ・モンテルーポ)の順となっていたが、現在は教会2階のオルサンミケーレ美術館に展示。

内部のA.オルカーニャの祭壇Tabernacoliはフィレンツェにおけるゴシック美術の代表例のひとつである。大理石にモザイクや彫刻が緻密に組み込まれた祭壇にはB.ダッディによる『恩寵の聖母』Madonna delle Grazie(14世紀半ば)が飾られている。もとは小麦市場だったオルサンミケーレ教会

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