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15世紀末の小規模なパラッツォで、クロナカの設計によると思われる。壁面の角や扉の周囲などに粗石の組みを残して、あとは漆喰で仕上げるのがこの時期の一般的なスタイルであった。中庭の柱頭や扉の周囲の繊細な装飾はA.サンソヴィーノの工房で造られた物だ。建物は20世紀初めにイギリスの美術史家ハーバート・ホーンが買い取り、後にそのコレクションとともにフィレンツェ市に寄贈された。注目したいのは祭壇画のコレクションで、P.ロレンツェッティやT.ガッディ、S.マルティーニの一派などの作品が集められている。また、かつては多翼祭壇画の一部だった『聖ステファノ』S.Stefano(ジョット作)は、1320年前後に描かれた物と推測される。