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アゴスティーノ修道会の教会で、ブルネッレスキの設計によって15世紀の半ばに建築された。しかしブルネッレスキは工事の開始直後に亡くなったため、実際の工事には数々の変更が加えられた。ファサードは未完のままに残されたために、地味な外観となっている。一方、鐘楼はB.ダニョロの設計により1503年に造られた物だ。
内部は円柱で3つの廊に分けられ、この柱の列が翼廊や後陣もぐるりと巡っている珍しい造りだ。壁面には40にも及ぶ礼拝堂が並んでいる。正面内部のバラ窓はペルジーノのデザインによる『聖霊降誕』で飾られている。右翼廊の奥から2番目にある祭壇にはフィリッピーノ・リッピの手になる『聖母子と聖ジョヴァンニーノ』が見られる。後陣部右側手前の祭壇にはマーゾ・ディ・バンコの多翼祭壇画が、左の翼廊にはサンソヴィーノによる凱旋門の形をした「コルビネッリの祭壇」(1490年頃)が目に留まる。左側廊の半ばにはミケーレとリドルフォのギルランダイオによる『聖母子と聖アンナ』も見られる。また、入口近くの左側手前から2番目の礼拝堂に見られる『キリスト像』はミケランジェロの作品の模刻だ。左側廊の中ほどから天井に格間のある前室を抜ければ、ロレンツォ・イル・マニーフィコの資金援助によってG.ダ・サンガッロが設計した8角形の聖具室Sagrestiaだ。一時ブオナロッティ邸に移されていたミケランジェロによる珍しい木製の『十字架像』Crocifissoが、2000年12月より置かれている。
一度外に出ると、教会正面左側には教会付属食堂Cenacolo di S. Spiritoがある。壁面全体には、アンドレア・オルカーニャとその工房による「キリスト磔刑」Crocifissioneが描かれている。展示されているさまざまな彫刻は、ロマネスク前期とルネッサンス時代の物。
また、教会の左脇にはふたつの回廊が並んでいる。第1の回廊はA.パリージの設計によるもので、C.ウリヴェッリらのフレスコ画が残る。第2の回廊はアンマンナーティの設計によるものだ。