キーワードで検索
町の守護聖人聖マルティーノを祀る聖堂で、11世紀から13世紀にかけてロマネスク様式で建てられた。内部は14世紀にゴシック様式で造り変えられたが、ファサードを含む外観はG.ダ・コーモGuidetto da Comoの設計による初期の姿をよく残している。白と緑の大理石を用いた正面は3つの大きなアーチと、その上に3層の小アーチが載った独特のプラン(1204年)で、優雅で軽快な印象。これに比べて正面右に並ぶ鐘楼は狭間と5層の窓をもち、男性的な造りだ。聖堂入口の柱廊は見事なロマネスクの浮き彫りで飾られ、ポルタイユの脇には聖マルティーノにまつわるエピソードや12の月を象徴する図柄が表されている。左扉上部のアーキトレーブとタンパンの、N.ピサーノ Nicola Pisanoによるすばらしい『キリスト降誕』と『キリストの十字架降架』の浮き彫りにも目を留めたい。中央扉の装飾(1498年)はM.チヴィターリによるものだ。中に入る前に、後ろに回り、アーチで装飾され、ロッジア(柱廊)を頂いた珍しい後陣外部を見ておこう。