サン・ミケーレ・イン・フォロ教会

更新日
2023年6月6日
公開日
2023年6月6日
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ローマ時代のフォロの跡を利用してできたサン・ミケーレ広場 Piazza S.Micheleは、今も昔も市民の生活の中心だ。これに面してルネッサンス時代に造られたプレトーリオ宮 Palazzo Pretorioが建っている。
この教会もピサ・ルッカ様式と呼ばれるロマネスク様式の典型で、ドゥオーモとよく似たファサードをもっている。すなわち、下部には大きなアーチが並び、その上に4層の小アーチが重ねられ、細かい浮き彫りや彫刻の装飾が施されている。1143年に建て始められたが、完成したのは1300年代も終わりで、表面は美しい嵌め込み大理石の仕上げとなっている。頂上部に据えられているのは大天使ミカエルの大きな像。ファサードだけでなく、側面もアーケードや回廊で囲まれている。鐘楼は対照的に重量感のある造りだ。内部は3廊式で、円柱によって仕切られ、後陣翼廊ともに半円形のプランになっている。この教会でとくに注目したいのは右側の最初の祭壇にあるA.デッラ・ロッビア Andrea della Robbia作の『聖母子像』Madonna col Bambinoの白い彩色テラコッタ、右翼廊のF.リッピ Filippino Lippiの『四聖人』4 Santiの板絵だろう。主祭壇に掛かる「キリストの磔刑図」の板絵は12世紀のルッカ派の作品である。また、主祭壇地下には8世紀の教会の跡が残っている。

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