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ゴシックの公共建築の代表例ともいえるのがこの市庁舎であるプッブリコ宮殿で、13世紀末から14世紀前半にかけて建てられた。最下層には石造りのアーチが連なり、2層と3層はれんが造りでバランスのよい3連窓が並んでいる。建物は中央部でさらに一段高くなり、ギベッリーニ狭間で装飾されている。また、向かって左側には高さ102mを誇る見事なマンジャの塔 Torre del Mangia(14世紀半ば)が建っている。スラリとした姿と白い石でできた頭の部分の繊細な造りとが相まって、優美な印象を与えている。塔の真下に張り出した石造りのロッジアは「広場の礼拝堂」Cappella della Piazzaと呼ばれ、14世紀の半ばに取り付けられたが、柱の壁龕に置かれた彫刻など一部が当時のままに残っている。
このロッジアの右側にある入口から内部に入るとポデスタの中庭Cortile del Podestà がある。4方から迫る壁と、飾りのない質素な空間からは、中世の建物に独特な峻厳さと精神性が感じられる。ここには市立美術館(プッブリコ宮内部)の切符売り場が設けられている。