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正円形のプランの優雅なロマネスク建築で、とりわけ中間部は細い柱や細かい縁取りの彫りを施した切妻形の飾りなどで美しく飾られている。8面のクーポラは一部には大理石の化粧板が載せられているが、そのほかは素焼きの瓦のまま。建設は12世紀の半ばに始められ、完成したのは14世紀の後半で、その間13世紀には、ニコラとジョヴァンニ・ピサーノ親子が監督官となっている。4つの扉をもつが、なかでもドゥオーモに面した入口はピサーノ派の彫刻を施した円柱と美しいレリーフのあるアーキトレーブで飾られている。
中に入ると中央に八角形の洗礼槽がある。13世紀半ばのG.ダ・コーモの作品である。左側にあるのがN.ピサーノ Nicola Pisanoの手になるすばらしい説教壇Pulpito(1260年)で、イタリアにおける最初のゴシック彫刻のひとつである。周囲は5つの浮き彫り(キリストの降誕、3王礼拝、キリストの奉献、キリストの磔、最後の審判)と預言者や徳を表した彫刻で装飾されている。