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アレッツォの旧市街のほぼ中心に位置するゴシック様式の教会で、13世紀から14世紀にかけて建てられたがファサードは未完成のまま残された。
内部は単廊式で、桁組みが露出している天井と簡素な空間構成が印象的だ。壁面にはニッチが並び、フレスコ画で飾られているが、いずれも傷みや欠損が多いなかで5つ目のニッチの次にある『受胎告知』は地元の作家 S.アレティーノ Spinello Aretinoの作品である。後陣を囲むように描かれた『聖十字架の伝説』Leggenda della Santa Croceのフレスコ画(1452~66年)はピエロ・デッラ・フランチェスカPiero della Francescaの代表作のひとつで、主題の把握の的確さ、計算された構図、抑えたなかにも品格を感じさせる独特な色彩など、アレッツォはもちろん、トスカーナのルネッサンス絵画でも重要な作品である。