セガンティーニ美術館

更新日
2023年6月30日
公開日
2023年6月30日
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エンガディンを愛した風景画家、ジョヴァンニ・セガンティーニGiovanni Segantini(1858〜99年)の美術館。印象派のタッチに似た23点の絵画は「アルプスを描かせたら右に出る者なし」と高く評価されている。没後100年を記念して改装されたこの美術館は、石積みの建物自体も一見の価値があるし、湖を見下ろすロケーションもいい。
運命3部作として有名な3枚の大作『生Das Leben』『自然Die Natur』『死Der Tod』は2階にある。セガンティーニ自身がデザインしたドーム型ギャラリーは自然光が入るが、絵の中の光と空気にも注目しよう。それぞれに描き込まれた気温、湿度、そして大気の透明度は、印象派の絵画に見るフランスのそれとは明らかに異なる。『生』と『自然』が夕刻なのに対し、『死』は早朝の光のなかに描かれているのが興味深い。
美術館を出たら、湖の左側奥にそびえるなだらかな山を見てみよう。セガンティーニが『自然』を描きながら息を引き取ったシャフベルクの山小屋(現セガンティーニ小屋)が小さく見えている。美術館は、この小屋に向かって建てられたのだ。

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