マッターホルン・グレッシャー・パラダイス

更新日
2023年8月8日
公開日
2023年8月1日
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マッターホルンの東側、ブライトホルンのすぐ手前にあるとがった小峰で、見る角度によってマッターホルンに似た姿をしているので、クライン(小)・マッターホルンとも呼ばれる。ツェルマットの村からわずか40分ほどで頂上に立つことができる、ヨーロッパ最高地点にある展望台だ。氷河の上に広大なスキー場があり、真夏でも大勢のスキーヤーでにぎわう。

ロープウエイ乗り場は村の南端。バーンホフ通りからでも、川沿いにも歩いていけるし、バスも走っている。フーリからシュヴァルツゼー経由、または直行してトロッケナー・シュテーク(2939m)へ。スキーの拠点になる場所で、大きなレストランやスキーロッカーなど、スキーヤーのための施設が整っている。トロッケナー・シュテークからマッターホルン・グレッシャー・パラダイスへは新型のゴンドラで移動する。

急勾配を登る大迫力のロープウエイ

ここから乗り込む最後のロープウエイは、スイスアルプスの醍醐味たっぷり。右に左に迫力の4000m峰が迫り、足元には広大なテオドール氷河が流れ、そしてその氷河の支流がロープウエイの真下を横切っている!よくもまあ、こんな所にロープウエイを架けたものだ。駅に着いても、展望台まではまだ遠い。トンネルを歩き、エレベーターに乗り、最後に急な階段を上らなければならない。これがキツイ。富士山でいえば山頂の上の笠雲くらいの高さまで、村からわずか40分で来てしまったのだ。心臓が悲鳴を上げるのも無理はない。

展望台の標高は3883m。エギーユ・デュ・ミディより41m、ユングフラウヨッホのスフィンクス・テラスより311m高い。天候に恵まれれば、フランスからオーストリアまで遮るもののない大パノラマが広がる。案内板で山座同定(山の名前を確かめること)を楽しもう。ほかの展望台からは見えないアルプス最高峰のモン・ブラン(4808m)、そしてイタリアの村チェルヴィニアCerviniaもお見逃しなく。また、ツェルマットから北へ続くマッター谷のはるか奥にはユングフラウとメンヒが見えている(アイガーは見えない)。

「マッターホルンはどこ?」と思う人がいるかもしれない。実は目の前であぐらをかいている正三角形のピラミッドがマッターホルンだ。スキー場の手前(エレベーターで地下に下りる)に、氷河の中をくりぬいて造られた氷河の洞窟Glacier Palaceがある。チケット(CHF8)はレストランで購入できる。

駅まで下りたらトンネルを進んでスキー場へ出てみよう。目の前に見えている尾根は国境線でもある。冬ならイタリアとスイスを自由に行き来するスキーサーカスが楽しい。

特別なゴンドラ・クリスタルライド

トロッケナー・シュテーク~マッターホルン・グレッシャー・パラダイス間に特別仕様の「クリスタルライド」が加わった。乗車後に床のガラスが透け、眼下の氷河を真上からのアングルで見ることができる。片道CHF11、往復CHF16の追加が必要。乗車の際にはクリスタルライド用の乗車券をスキャンして待てばいい。係員がゴンドラを準備することを伝えてくれる。

マッターホルン・アルパイン・クロッシングMatterhornAlpineX(crossing)

2023年7月1日に開通したスイスとイタリアを結ぶアルプス国境越えのロープウエイ。マッターホルン・グレッシャー・パラダイス駅(標高3817m)とイタリア側のテスタ・グリジア駅(標高3479 m) 間を約4分で運行するゴンドラは、最も標高の高いアルプス国境越え体験になる。

これによりマッターホルンの北側山麓のツェルマットと南側山麓のチェルヴィニア(イタリア)が1.5~2時間で結ばれる。ツェルマットとチェルヴィニアはアルプス越えのスキーヤ―憧れのクラシックルートとしても有名なので、当地でスキーをする人は候補に入れてみては。

インターナショナルスキーパス(ツェルマット、チェルヴィニア)
97CHF(1日券)、152CHF(2日券)
営業時間
区間、時期で大きく時間が異なるため公式サイトで要確認
氷河の洞窟内は足元に注意
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