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スイスが誇る時計産業の全貌を観ることができる博物館。そのコレクションは、太陽時計、砂時計から世界一精密な原子時計まで、またアンティークや希少価値の高いものからスウォッチまで、ありとあらゆる分野にわたっている。ジャッケ・ドローがフランス国王に贈った時計や占いをするマジシャン時計、マイセンの陶器で装飾された時計やダリがデザインした時計、世界最小の時計など、珍しいものも多いので、時間をかけてじっくり見学したい。15世紀まで時計は気軽に持ち運べる代物ではなく、また時を司るのは権力者や一部の有力者にかぎられていた。やがて技術が向上するにつれ小型化され、装飾にも目が向けられるようになり、貴金属をあしらったものや機械仕掛けの人形が時を告げるものなどが登場するようになっていく。この博物館では、そんな時計の歴史もたどることができて興味深い。館内にある時計は、すべてが正確に動くように専門家によって管理されているというから驚きだ。入館してチケットを買ったら、荷物は左奥にあるロッカー(無料)に預けて見学を始めよう。展示室に入る手前のホールは特別展用のスペース。奥に進むと広いフロアいっぱいにさまざまな展示が置かれている。展示スペースは2フロアあり、特に順路が示されているわけではないので、好きなところから見て回ろう。どちらかというと2階のフロアのほうが、テーマが明確になった展示スペース。膨大な数の時計があるので、集中力がある最初のうちに上のフロアを見ておいたほうがいいかもしれない。仕掛け時計や宝飾品としての時計など、1階の展示ももちろんすばらしい。展示スペースの奥には工房があり、本物の職人が時計の修理やメンテナンスをしている様子がガラス越しに見学できる。