ワシントン記念塔

更新日
2023年7月3日
公開日
2023年7月3日
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モールのほぼ中央に、空に向かって力強くそびえ立つオベリスク(先のとがった石柱)がある。アメリカ建国の父、初代大統領ジョージ・ワシントンGeorge Washingtonの偉業をたたえる記念塔だ。高さ169.2m(555フィート5と1/8インチ)、石造りとしては全米一の高さを誇る塔は、首都で最も高い建造物である。DCでは1899年以来、記念塔を上回る高さの建設を禁じているからだ。
塔の上には展望階があり、エレベーターがたった70秒で運んでくれる。東に国会議事堂やスミソニアンの博物館群、南にジェファソン記念館、西にリンカーン記念館、北にホワイトハウスとダウンタウンを眺望できる。DCで最もすばらしい鳥瞰図が楽しめるポイントだ。1階下には記念塔の歴史や修復を解説したパネル展示もある。
初代大統領に敬意を表したメモリアルのアイデアが発案されたのは、DCの町が造られようという頃。デザインを公募の結果、建築家ロバート・ミルズRobert Millsの作品が入選した。彼のデザインは現在の形と少し異なり、ギリシアの寺院をまねた姿であった。
1848年7月4日の独立記念日に着工。建設にあたって基金と建築用ブロックの寄贈が呼びかけられ、全米各州はもとより世界各地から石が寄せられた。総数は193。最後に贈られた石は1988年の沖縄のもので、これらの一部は下りのエレベーターから見ることができる。
南北戦争が始まると工事は中断。25年後に再開されるが、同じメリーランド州の鉱脈から採掘した石にもかかわらず、中断前とは石の色が異なってしまった。記念塔をよく見ると、下3分の1の石の色が違うのがわかるだろう。着工から36年後の1884年12月に最後の石が組まれ、1888年から一般公開されている。

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