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1983年にユネスコ世界文化遺産に登録されたベルンの旧市街は、中央駅の東側、東西1km、南北300mほどの細長いエリア。1日かけてゆっくり歩きまわりたい。
旧市街を歩き出してまず感じるのは、その独特な町並みだ。一見道路に沿って建物がぎっしり並んでいるように見えるが、道路と同じ高さの1階部分は奥に引っ込んでおり、歩行者が歩けるアーケードになっている。ラウベンLaubenと呼ばれているこのアーケードが、旧市街には6kmもあり、これはヨーロッパ最長。また道路脇に地下への扉があり、地下にあるショップなどの入口になっている。
後述する見どころ以外に、旧市街でぜひ見ておきたいのが泉。ベルンには100以上の泉があるといわれているが、旧市街にある11ヵ所の泉には、それぞれ特徴のある像が建てられていてとても興味深い。いずれも16世紀の宗教改革後に造られた像なので、中世の絵画でよく見られるような聖書の物語をモチーフにしたものではなく、実在の人物だったり、民話のキャラクターだったり、ユーモラスなものから恐ろしいものまでさまざま。
これらの特徴のある泉の多くがメインストリートの中央にあるが、これは通りの中央に造られた上水道に沿って並んでいる。ベルンは当初から上水道だけでなく、下水道も完備していたという。町の基本的な構造を変えることもなく800年以上も街並みを保ってきたのは、しっかりとした都市計画の下で発展してきた賜物だ。