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モールの南、タイダルベイスンのほとりにローマのパンテオンを思わせる白亜の殿堂がある。このドームの中央に直立する人物の像は、第3代大統領トーマス・ジェファソンThomas Jeffersonだ。ジェファソンは独立宣言の起草者としても知られる、アメリカ建国の父のひとり。「人は生まれながらにして平等であり、神より生命・自由・幸福の追求という侵しがたい権利を与えられている」という、1776年7月4日の独立宣言に盛り込まれたジェファソンの『生命・自由の尊重、幸福の追求』の思想は、独立を志す万人の共感を呼び、イギリス、フランスやスペインの植民地で生活する人の大きな原動力となった。
1789年ワシントンが初代大統領に選出されると、ジェファソンは初代国務長官に任命される。第2代大統領ジョン・アダムスの時代には副大統領を歴任、1801年自らが大統領となり、1809年まで2期の任期を務めた。大統領就任中の最大の業績は、フランス領ルイジアナを買収し、国土を2倍に拡大したこと。
ブロンズ像のジェファソンの身長は5.8m。記念館の内装はジョージア州産の白い大理石で、黒っぽい像とのコントラストが見事だ。ピンクと灰色の床はテネシー州産の大理石、天井はインディアナ州産の石灰岩でできており、高さは20mにも達する。記念館の外観の壁とドーム型の天井はバーモント州の大理石で、テラス部からの高さは29mになる。完成は1943年4月。