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建国から間もない19世紀初頭、この国は東部から内陸部へと発展を続けていた。道路がそれほど整備されていない時代のこと、人口増加にともなう物資の不足が問題になってきた。解決のため造られたのがチェサピーク・アンド・オハイオ(C&O)・キャナルだ。DCからメリーランド州のCumberlandまで、ポトマック川沿いの全長184.5マイル(約295km)の運河は、鉄道が輸送手段となる19世紀の末まで人々の生活を支える動脈として活躍した。ミュール(ラバ)が引く運搬船は、時速約2.5kmで石炭、鉄、麦、ウイスキーなどを運んだ。西へ向かうにつれ標高が上がるために、運河には途中50ほどの水門が造られており、水位を変えながら進んでいった。
運河は1923年にその役目を終えたが、現在、当時の運河の船旅を体験するツアーが行われている。所要時間は70分。船員とガイド(両方ともパークレンジャー)は皆19世紀の衣装を身にまとい、船旅の様子を再現していく。ラッパの合図が船の出発だ。水門が開かれ、船がぐんぐん上昇すると船旅の始まり。2頭のラバが歩き出し、船はゆっくり動き出す。船上ではガイドがキャナルの歴史と役割、1870年代の生活についての説明をしてくれる。キーブリッジで折り返してジョージタウンに戻ってくる。