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ナショナルギャラリーは、13世紀から現代までの絵画や彫像を中心とした西洋美術のコレクションで知られており、その質の高さと量は、パリのルーブルに匹敵するともいわれている。歴史の浅いアメリカではあるが、多くの富豪たちが競って世界の優れた美術品を買い求めた。その名作の数々が国の美術館に“無料”で公開されている。
実は、ナショナルギャラリー収蔵の美術品のすべては、一般市民から寄贈されたものか、寄付金で購入したものだ。運営、維持費は国家予算から支出されるものの、美術品の購入に関して連邦政府は一切お金を出していないのである。なんとスケールの大きい、アメリカらしい話ではないだろうか。コレクションの総数は15万点以上に及ぶ。
ハイライトはイタリア国外では最高といわれるイタリア美術。なかでも、西半球で見ることのできる唯一のレオナルド・ダ・ビンチの絵画『ジネブラ・デ・ベンチの肖像』は、世界的によく知られる名作。ほかにも、ラファエロ、レンブラント、エル・グレコ、フェルメール、フランス印象派など、美術館を見学することによって西洋美術史の総ざらいもできる。美術館の核となる作品は、創設者でもあるアンドリュー・W・メロンを中心とした多数のコレクターによる寄贈品。20世紀美術や彫刻庭園も加わって、ギャラリーはいっそう見応えのあるものになっている。