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アメリカ鉄道発祥の地はここボルチモア。アメリカ最古の鉄道駅マウントクレア駅Mt. Clare Stationに、1828年の鉄道開業を記念した博物館が建っている。実際に稼働していた蒸気機関車をはじめとして、マニアなら歓喜せずにはいられない歴史的車両約250点、ミニチュアの模型など約1万5000点、鉄道に関する写真や印刷物など約10万点が、ラウンドハウスRoundhouseと呼ばれる円形機関車車庫を中心に収蔵されている。
トンネルのような博物館の入口を抜けるとラウンドハウスに出るが、非常に質の高い鉄道模型がラウンドハウスのあちこちに展示されている。見逃せない車両が、1830年ボルチモア〜エリコットミルズ間を走っていた馬で引いたワゴン列車、1832年B&O初の蒸気機関車アトランティックAtlanticなど。石炭で動く蒸気機関車(英語で別名Iron Horseという)などは鉄道の全盛期にタイムスリップしたようだ。博物館の自慢は、ピーター・クーパーPeter Cooper製のアメリカの蒸気機関車トム・サム号(親指トム)The Tom Thumbの複製。1836年製のグラスホッパー号Grasshopper(シリンダーがバッタのように芝を踏むような姿であることからこの名がついた)、フォーティ・アンド・エイトForty & Eightの有蓋貨車など、希少な貨車も並んでいる。第2次世界大戦中、兵士を運んだ寝台車、世界最大といわれる“ビッグボーイ”にも大きさ、馬力などひけをとらないアルゲイニー1604 Allegheny1604、リンカーンが大統領選挙運動の際に乗った車両も珍しい。
ほかにも、変わったところでは、レールやエンジンの変遷、いろいろな駅の時計も見逃せない。また、シアターでは鉄道に関する短編映画が上映されたり、列車の試乗、蒸気機関車の運転シミュレーションゲームもあり、鉄道マニアは要チェック。