ナショナル水族館

更新日
2023年7月4日
公開日
2023年7月4日
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アメリカはもとより、日本でもすばらしい水族館が次々に誕生しているが、その先駆者のひとつが、この水族館だ。完成は1981年、オリジナルの設計者は大阪の海遊館も手がけたP・シェマイエフである。頭はピラミッド、胴はモザイク模様が印象的なブルーワンダー(本館)と、海の哺乳類たちが暮らすピア4、オーストラリアの峡谷が再現されたガラスパビリオンの3つの建物から構成されている。生物は魚類だけでなく、鳥類、爬虫類、両生類、海洋哺乳類など約700種、その数は2万匹以上に及ぶ。開館から40年以上になるが、展示方法を順次改良するなど、とても見応えのあるものになっている。
本館1階のブラックティップリーフBlacktip Reefはメジロザメとエイたちが珊瑚礁を気持ちよく泳ぐ水槽で、餌づけもよく行われる。2階がメリーランド州の山や湿地帯、海のコーナーだ。ビーチにどんな生物がいるかをタッチスクリーンで教えてくれる。一番人気は3階にあるタッチプール。カブトガニやエイ、クラゲにも触ることができて、子供たちは大喜びだ。
4階の大西洋と太平洋のコーナーに続き、ガラスの天井からの光がまぶしい5階には熱帯雨林が再現されている(蒸し暑い!)。カラフルな鳥やしぐさがかわいいカメ、小さなタマリンザル、カエルやヘビにもお目にかかれるなど、見学者があちこちで感嘆の声をあげている。ハイライトは上階から下への見学路を囲むように造られた巨大な水槽、大西洋コーラルリーフAtlantic Coral Reef。4階建ての高さ、約127万リットルの水槽には、小さな魚からサメまで相当な数の魚が一緒に泳ぐ。ガラスパビリオンは、北オーストラリアの峡谷を再現した展示。砂漠地帯ではエリマキトカゲ、湿地帯ではクロコダイル、川を再現した水槽ではオーストラリア固有の肺魚などが飼育されている。
ピア4はイルカのショーが行われていたシアターがあるが、世界的な動物保護の流れからボルチモアでもショーは中止となった。代わりに地球の仲間たちが未曾有の危機に瀕している現実や、彼らを救うためにどんなことをすべきかイルカを見せながら解説してくれる。一角にあるクラゲのコーナーには、日本のヤナギクラゲもいる。

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