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“湖上の貴婦人”と称されるTSSアーンスロー号は1912年に造られた二軸スクリューの蒸気船で、遠隔地に住む人々の交通手段や、荷物や家畜の輸送に使用されていた。全長51mで重量は約337トン、石炭が燃料の客船としては南半球で唯一の存在だ。現在は遊覧船となっており、昔と変わらない速度11ノットでクイーンズタウンと対岸のウォルター・ピークWalter Peakを往復している。船内ではデッキやブリッジを散歩したり、昔ながらに石炭を投げ込む火夫の姿を見学したり、船首ギャラリーで船の歴史を学んだりできる。ピアノの伴奏に合わせて、皆でフォークソングを歌うのも楽しいひとときだ。クルーズだけでも楽しいが、ウォルター・ピーク高原牧場での見学や乗馬、BBQダイニングなどの各種ツアーにも参加してみよう。
牧場見学ツアーでは、牧羊犬が羊を集める様子を見学したり、シカや羊、珍しいスコットランド原産のハイランド牛に餌をやったりして楽しめる。ハイライトは、鮮やかな手つきで行われる羊の毛刈りショーだ。そのあと、この地で牧場を経営していたマッケンジー一家が20世紀初頭に住んでいたカーネルズ・ホームステッドColonel’s Homesteadで、優雅なアフタヌーンティータイム。古い写真や調度品が置かれており、開拓初期の様子を彷彿とさせる。カウリやオオカエデ、花々で飾られた庭も美しい。