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オタゴ半島の先端にあるタイアロア・ヘッドTaiaroaHeadと呼ばれる岬に、ロイヤル・アルバトロス(シロアホウドリ)の営巣地がある。市街地に近いものとして非常に希有な場所だ。かつては人間や野犬などにその存在を脅かされていたが、現在では保護活動が行われており、レインジャーの案内付きのツアーでその生態を詳しく観察できる。ただし繁殖期に当たる9月中旬〜11月下旬は通常とは違う場所からの観測となるため、アルバトロスを見られるという保証はない。
ロイヤル・アルバトロスはアホウドリのなかでも大きく、両翼を広げると3m以上にもなる。空中ではほとんど羽ばたくことなく、グライダーのように翼に受けた風の揚力で飛行する。コロニー付近には観察小屋が設置され、30〜100mくらいの距離でロイヤル・アルバトロスを観察できる。ただし、前述したとおり彼らは風を受けないと飛べないため、いつでも飛ぶ姿が見られるわけではない。空での華麗な姿からはアホウドリなどという失礼な名前は想起しようもないが、地上に下りた彼らを見れば思わず納得。あまりの飛行スピードのためか着地は前につんのめり、歩く足取りもよろよろと実に鈍重でユーモラスなのである。
タイアロア・ヘッドには、戦時中に造られた要塞があり、1888年に設置された地中収納型のアームストロング砲を見ることができる。