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あでやかな屋根をもつこの建物は1443年、ブルゴーニュ公の大法官であったニコラ・ロランと彼の妻によって貧しい人々のための病院として建てられた。今も15世紀当時の病棟がそのまま残され、オテル・デュー美術館Musée de l'Hôtel-Dieuとなっており、当時の教会や第2次世界大戦中も使われた病室、厨房、調剤室などを見学することができる。
病院の運営費は500年以上の間、この病院が所有するブドウ畑からできるワインの競売でまかなわれてきた。かつて1300haもあったブドウ畑は、現在では60haまで縮小されてしまった。それでもグラン・クリュ(特級)のワインとして人気が高く、売り上げは建物の修復などに使われている。展示物で何より見逃せないのは、サン・ルイの間 Salle de St-Louisにあるロジェ・ヴァイデン作『最後の審判』の装飾屏風Le polyptyque du Jugement Dernier。まばゆいばかりに輝くその絵は、いかにもフランドル派らしいミニアチュール(細密画)だ。