サン・ラザール大聖堂

更新日
2023年8月22日
公開日
2023年8月22日
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聖ラザロの聖遺骨が納められた場所として中世から多くの巡礼者を集めてきた聖堂。とりわけロマネスク美術の至宝として名高いのが、『最後の審判』の図が描かれたタンパン(正面入口上部にある半円形部分)だ。中央に、ひときわ大きな姿で立つのがキリスト。彼によって審判を下された者は上段の天国あるいは下段右側の地獄へと送られるという図だ。登場人物はとにかく皆、体が長い。8頭身どころか10頭身もありそうなプロポーション。もしもこれが彫刻だったらかなり不自然だろうが、こうして半円形のタンパンにすっぽり収まると、調和が保たれている。この作品は12世紀のものにしては珍しく、作者名が判明している。キリストの足元に「GISLEBERTUS HOC FECIT(ギスレベルトゥスこれを作る)」とラテン語で刻まれており、『イヴの誘惑』のレリーフも彼による作品といわれている。
サン・ラザール大聖堂の円陣横の階段を上った所には柱頭の間Salle Capitulaireがあり、『エジプト逃避』『東方三博士の来訪』など、見事な柱頭彫刻が展示されている。

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