ピオ・モンテ・デッラ・ミゼリコルディア教会

更新日
2024年8月9日
公開日
2023年9月6日
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ミゼリコルディア信者会の目印

1602年に7人のナポリ貴族によって作られ、現在も活動する慈善団体の本部と教会の建物からなる。八角形の教会の主祭壇にはこの慈善団体の活動を表現しているというカラヴァッジョの傑作『慈悲の七つの行い』Le Opere di Misericordiaを中心に、ルカ・ジョルダーノの「キリストと姦婦」Cristo e l'adultera、「キリスト降下」Deposizioneをはじめ、ナポリ派による祭壇画が壁面を飾っている。

2階には17~18世紀のナポリ絵画を展示。とりわけ、Sala del Corettoの礼拝堂に向けて開けられた窓から眺めるカラヴァッジョの『慈悲の七つの行い』が印象的だ。
この絵は、病人の救済を中心とした慈善団体であった、ミゼリコルディア信者会の依頼によって制作された作品。「マタイ伝」でイエスの口から語られる6つの慈善行為(飢えた者に食べ物を、のどが渇いた者に水を、旅人に宿を、裸の者に衣服を、病気の者を見舞い、囚人を慰問する)に、死者を葬るという行為を加えた7つの慈善が、1枚の画面上に表現されている。人々がドラマチックにひしめく光景が、ナポリでの作品らしいといわれる。往時の貴族がしたように、祭壇に飾られたこの作品を2階の美術館(旧会議室)から眺めてみよう。

「慈悲の七つの行い」
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