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その源を紀元前7世紀に遡るというスタビアは、大噴火までたいへん栄え、別荘や邸宅が多く建てられたという。ナポリ湾を見下ろす小高い丘に眺望のよい広々とした敷地が広がり、華やかな装飾と近くから引き込んだ温泉施設もある洗練された物だった。現在はふたつの別荘が公開されている。近年の地震の被害もあり、修復はあまり進んでいないが、 周囲の田園風景と相まって当時の人々が愛した心地よい空間を実感できる。
サン・マルコ荘Villa S. Marcoは、1万1000㎡の広さを誇るローマ時代最大の別荘。ふたつの広い柱廊付き中庭を中心に各部屋、プール、浴場、体育室が続き、ところどころに小品のフレスコ画が残る。アリアンナ荘Villa Ariannaはより古い別荘で、食堂奥の壁には名前の由来となったギリシア神話のアリアドネが描かれている。