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コナ空港の北、約6マイル(約9.6km)の位置にあるカウプレフKaupulehuという地には、かつて漁村があったという。しかし、18世紀末と推定されるフアラライ山の噴火により村は溶岩流にのみ込まれてしまう。カウプレフ溶岩流と名づけられた大自然の猛威は、現在でもその圧倒的な質量感を失わぬまま黒々と大地に横たわっている。そんな歴史の片隅に追いやられたカウプレフに転機が訪れたのは1959年。カリフォルニアで石油請負業を営んでいたジョンノ&ヘレン・ジャクソン夫婦がやってきて、土地をリースし、カウプレフ村の再現に取り組んだ。そして1966年までには草葺きの小屋を46棟とダイニングを完成。これが今はなきコナ・ビレッジ・リゾートの始まりだ。各部屋にはテレビ、電話、ラジオはおろか鍵すらなく、自分たちだけの空間が約束された他に類を見ない究極のリゾート地だった。
レンタカーに乗った観光客がハイウエイを疾走する現在でも、コナ・ビレッジ・リゾートだったエリアは静けさが保たれている。カウプレフ溶岩流によってクイーン・カアフマヌ・ハイウエイから隔絶されているのだ。そして1996年、現在のフォーシーズンズリゾート フアラライが誕生。上質のファシリティとサービスを併せもった最上級のホテルだ。プライベート感にあふれていて宿泊施設から一歩も出ない、そんな過ごし方もでき、リゾート通も唸らせる。ちなみにコナ・ビレッジ・リゾートは2011年の東日本大震災の津波の被害に遭い閉鎖していたが、2023年7月からローズウッドホテルズ&リゾーツ傘下となり営業をスタートする。