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プナ地区の中心となるのが、ハワイ語で短剣という意味をもつパホアの町。かつて製材所として栄えた町で、アメリカ本土が鉄道ブームだった20世紀後半、このあたりにふんだんにあるオヒアの木が枕木として多用され、それを切り出す製材所の拠点だった。現在ではイタリアン、メキシカン、タイ、カフェやベーカリーなど本格的な飲食店が充実。ハワイ火山国立公園へのドライブ途中に休憩がてら寄ってみてはどうだろう。
プナ地区はキラウエア火山の南東に位置していることもあり、たびたびその噴火の影響を受けている。パホアから南へ向かうと、見渡す限り溶岩流の跡が広がる光景にたどり着く。ここは、ブラックサンド・ビーチで有名だったカラパナとカイムがあった土地だ。この地域は1990年9月、溶岩流にのみ込まれてしまった。2014年にはプウ・オオ火口から噴き出す溶岩がパホアの町の至近距離まで迫り、住宅が1軒とゴミ処理場の一部が溶岩にのみ込まれた。2018年5月にはパホアの南、レイラニエステートで溶岩が流れ出し、3 ヵ月にわたって激しく噴火。死者こそ出なかったものの、約700軒の住宅、ビーチや森が溶岩にのみ込まれた。アイザック・ハレ・ビーチパークは半分が消滅したものの、現在はハワイで最も新しい黒砂ビーチとなった。こういった噴火による破壊と再生が繰り返されてきたことで、ハワイ島ひいては諸島全体が造り上げられてきたのだと考えると、地球のもつエネルギーのすさまじさを感じざるを得ない。