カテドラーレ/大聖堂

更新日
2023年10月16日
公開日
2023年10月16日
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ヴィットリオ・エマヌエーレ大通りに面した公園Piazza Cattedraleの背後に構える広大な大聖堂。創建は1184年のシチリア・ノルマン様式。以後600年にわたる外国支配のなかで、さまざまな建築様式が複合してできた「パレルモ的」ともいえるこの町の代表的建築物だ。14、15世紀を中心とした度重なる増改築の果てに、しいて言えばイスラム色が濃い折衷様式となった。後陣に辛うじて幾何学装飾紋が残り、創建当時のノルマン様式を見ることができる。中央の印象的な丸屋根は18世紀後半に建設されたもの。

内部は1781年~1801年に改装された新古典様式。内部装飾や天蓋は、外観とは裏腹に不評とか。入口から入ってすぐ左の第1、第2礼拝堂は皇帝と王の霊廟Tombe Imperiale e Realiになっている。アラゴン家のコンスタンツァ2世、(フリードリッヒ2世の妻)、エンリーコ(ハインリッヒ)6世、フリードリッヒ2世、コンスタンツァ1世(フリードリッヒ2世の母)、アテネ公グリエルモ、ルッジェーロ2世の石棺がそれぞれ飾り天蓋の下に並べられている。内陣左にはガジーニによる「キリスト磔刑」と「被昇天の聖母マリア」のレリーフ、右の礼拝堂には町の守護聖人ロザリアとその聖遺物が祀られている。見落とせないのは右側廊前部より続く宝物庫Tesoroだ。式典に用いられた聖具、金細工、細密画写本(祈祷書)などのほか、コンスタンツァ2世の王冠 Corona Imperialeが間近に見られる。美しい貴金属で飾られたたいへん豪華な物だ。宝物庫から下に下りてゆくと円柱列に支えられた2廊式の納骨堂 Criptaがあり、ローマ時代の石棺やガジーニの浮き彫りが施された棺などを見ることができる。

写真

  • 皇帝と王の霊廟
  • コンスタンツァ2世の王冠
  • 新古典様式のカテドラーレ内部
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