パラティーナ礼拝堂 (王宮付属礼拝堂)

更新日
2023年10月16日
公開日
2023年10月16日
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ノルマン王宮の2階に設けられたアラブ・ノルマン様式の礼拝堂。歴史的価値からいっても、その華麗さからいってもパレルモ観光のハイライトといえる。入口はパルラメント広場Piazza del Parlamentoから。王宮の2階に大階段で上がると、正面にある中庭に面して左側の壁面に施されたモザイク画が目に入る。ここが礼拝堂入口。ここだけでもすでに相当インパクトがあるのだが、これは1800年に新しく加えられた比較的新しい物だ。

内部は大理石のアーチにモザイク画がちりばめられ、まるでモザイクのプラネタリウムだ。コンスタンティノープル、ラヴェンナと並びキリスト教美術の最大傑作に称されている。
「聖ペテロと聖パウロを従えた玉座のキリスト」(玉座の上方)は14世紀の物。内陣の上にある半球形の円蓋には、12世紀の「天使に囲まれた全知全能の神キリスト」が、その下には「ダヴィデ」「ソロモン」「ザカリア」「洗礼者ヨハネ」が、祭壇の背後には「祝福のキリスト」が、それぞれ描かれている。

側廊には「聖ペテロと聖パウロの物語」など、聖書の世界が鮮やかに描かれていて目を奪われる。向かって右側には一面にモザイクがちりばめられた豪華な説教壇もあり圧倒される。豪華でまばゆいモザイクに目を奪われて忘れがちだが、イスラム建築の特徴である鐘乳石模様の天井(ムカルナス)や床のコズマーティ様式(イスラムとビザンチンの融合した様式)のモザイクも見過ごせない。

パラティーナ礼拝堂は、11世紀末のイスラムやビザンチン文化の影響を今に伝える独特な物だ。この礼拝堂はノルマン王朝のルッジェーロ2世が1132年に着工し、8年後の1140年に聖ペテロに献堂した。12世紀の贅を尽くした空間に酔いしれること間違いなしだ。

月・金・土・日曜日に出かけよう

パラティーナ礼拝堂の切符売り場はパルラメント広場P.za Parlamento手前に変更。ノルマン王宮はパラティーナ礼拝堂から続いている。パラティーナ礼拝堂へ行くなら、階上の「ルッジェーロ王の間」のモザイクも見逃せない。より近くでヴィヴィッドなモザイクを見ることができて、感激もひとしお。日程が合えば両方見学できる、月・金・土・日曜日に出かけよう。

バスは中央駅前から109番、ローマ通りから104番、このほか10、118番などがインディペンデンツァ広場へ行く。

カテドラーレからパラティーナ礼拝堂へ

カテドラーレ前のV.エマヌエーレ大通りは車の入らない歩行者天国。カフェやバールも多く、歩いていても楽しい。カテドラーレ前の広場を右に出てV.エマヌエーレ大通りをさらに進み、公園中に入りノルマン王宮前のパルラメント広場の入口から入場する。

写真

  • 高見から見下ろす「全知全能の神」。その下には「祝福のキリスト」が描かれている
  • 「玉座のキリスト」
  • 大理石の玉座にもコズマーティ様式のモザイクがみられる
  • コズマーティ様式の床モザイク
  • イスラム建築の特徴、鍾乳石模様の天井(ムカルナス)。日常風景が描かれ、興味深い
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