キーワードで検索
バトゥール山とアバン山に挟まれた火山湖は、バリを代表する景勝地。水源地として各地の田園に水を供給しており、「バリ州の文化的景観」の象徴的な存在として2012年に世界文化遺産に登録されている。外輪山に沿って眺めのいいレストランが並んでいるので、ビュッフェランチとともに絶景を満喫してみよう。
16世紀頃から伝わるバリの説話によると、伝説の巨人クボ・イオが水源となる深い井戸を山麓に掘ったものが、バトゥール湖の始まりとされている。
標高1717mのバトゥール山は、本格的な登山経験がなくてもトレッキングが楽しめる。おすすめは早朝に宿を出発し、日の出を山頂で迎えるサンライズトレッキング。南部エリアやウブドからのツアーは深夜発となるのでハードだが、湖畔の村に前泊すればしっかり眠れてコンディションも整えやすい。
山頂までのトレイルはゴツゴツした岩場も多い。大きな岩につかまりながら乗り越え、息を切らしながら進む旅行者の脇を、ドリンクを売る地元の少年たちが裸足で飛ぶように駆けていく。そのたくましさに驚きながら、自分のペースで山頂を目指す。バトゥールの頂上に着く頃には夜の闇がだんだんと陽光に溶け、神々しいまでの絶景が目の前に広がっていく。
バトゥール湖畔のトヤ・ブンカ村には、温泉施設が数軒オープンしている。湯温はあまり高くないが、温泉プールとしては快適。のんびり過ごすなら、地元の人たちも利用するバトゥール・ナチュラル・ホットスプリングがおすすめ。はしゃぐ子供たちや互いの写真を撮りながら笑い転げる女の子、その横では打たせ湯でコリをほぐしているおじさんの姿。ほのぼのとしたローカルな光景に心もほっこりできるはず。湖を眺めながら泳げるプールも併設しているので、心ゆくまでリフレッシュしよう。
湖の北端にあるソンガン村は、のんびり散策したい穴場スポット。世界遺産に登録されたウルン・ダヌ・バトゥール寺院のオリジナルがこの伝統村に残り、訪問者をミステリアスな雰囲気で包み込む。地元ではバリ有数のパワースポットとされる。
湖畔にはデウィ・ダヌ女神の金色像も祀られている。ボートをチャーターして湖上から女神像を眺めてみると、真摯な表情に悲哀も感じられる。そのことを同行のガイドに伝えると、デウィ・ダヌ女神の悲しい伝説を語ってくれた。女神はバトゥール山で修行するジャヤ・パングス王と恋仲となり子供をもうけたという。しかし王が既婚者であることがわかり、深く怒り悲しむ女神を鎮めるために王と王妃は湖の生贄となってしまった……。女神像が見つめる先には、鏡のような湖面にバトゥール山が美しく映し出されている。古来から語り継がれる伝承世界にイメージの翼を広げるのも、贅沢な旅の過ごし方だろう。
北部ツアーのランチ場所として郷土料理ビュッフェの店が多かったキンタマーニだが、近年は絶景ビューのカフェに業態転換して人気を集めている。2023年にはスターバックスも新規オープンしている。