キーワードで検索
本格的な懐石(会席)料理を味わえるダイニングがスミニャックに登場して、早耳の在住外国人やローカルセレブたちの話題をさらっている。料理長は日本人のDaijiroさん。代々天ぷら割烹を営む家で生まれ、幼い頃から日本料理と接してきた生粋の料理人だ。家族でバリ島に移住してからは高級レストラン「クーデタ」で和食料理長を7年間務めた経歴をもっている。
「海外にある日本料理店の和食は独自の進化を遂げています。例えば日本にはないような創作巻き寿司とかもそう。それはそれでおもしろい。でも自分は本来の日本食を伝えていきたいんです」と穏やかに語るDaijiroさん。自身が総料理長を務める「匠」では割烹料理をおまかせスタイルで提供している。厳選された旬の食材を日本伝統のスタイルで味わえると評判になり、現地の著名人も足しげく通っているほどだ。
Daijiroさんが提供する料理の多くは現地の食材から作り出されている。「バリ島にもいい食材はたくさんあります。日本から輸入しなければならないものを極力減らしてもちゃんと日本の味が作り出せる。日本をもってくるのではなく、ここで日本を作りたいのです。そのために食材のクオリティを上げるための努力や提案もしています」。
例えば「匠」で使う魚はその多くを現地で仕入れているが、最大限に魚の旨味を引き出す方法である「津本式」で締めた魚なのだそうだ。「ただ自分がおいしい食事を提供するだけではなく、日本料理の何たるか、技術や基本、そして心持ちの部分までも現地の人々に伝えて、海外における日本食の底上げをしていく。それが私のビジョンなんです」。
単なるブームでは終わらない「生粋の日本料理」の提供に情熱を燃やしながら、家族との団欒や趣味のサーフィンをする時間も大切にしている。「料理人が充実した生活をしていなかったら、いい料理なんて作れないんですよね」。カウンターに席を取れば繊細な料理とともに、ディープな話もいろいろ聞けるだろう。季節で変わる本格的な懐石(会席)は6コースRp.90万、9コースRp.120万、シェフのおまかせ18コースRp.180万、精進料理のビーガンコースRp.75万の4種類(2023年末のグランドオープン後は値段変更の可能性あり)。
2階スペースには高級感が漂うバーもあり、日本酒はこだわりの純米大吟醸から濁り酒まで多彩な品揃えを誇っている。カウンター席でシェフのDaijiroさんやスタッフとの会話を楽しむもよし、テーブル席でゆっくり過ごすのもよし、和食の神髄を味わいながら楽しいひと時を過ごしてみたい。