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バリ東部で最も重要な文化遺産。入口の正面にあるバレ・カンバン Bale Kambangは、池の中に浮かぶように建てられている。ゲルゲル王朝時代、王家の人々の休息所として使われた建物を1940年代に復元したもので、周りを取り囲むよう装飾された石彫り、柱に施された木彫り、そしてラーマヤナなどの神話を題材にしたカマサン・スタイルの天井画が見事だ。
敷地の北東側に建つ小さな棟はクルタ・ゴサ(=サンスクリット語で裁判所の意味)で、この王宮跡全体の呼び名にもなっている。地方レベルでは解決できない問題を裁いた場所で、ここの天井にもカマサン・スタイルの絵が描かれている。こちらの絵は、さまざまな道徳的、宗教的な教えをモチーフにしている。例えば、姦通罪を犯した人間は、死後、性器を切ったり焼かれたりするといった「地獄絵」などには、思わず苦笑させられてしまうはずだ。
敷地の西側にある大きな建物は博物館。クルンクン近郊の出土品や、ゲルゲル、クルンクン両王朝時代の玉座、槍、剣、金銀の器、あるいは当時の写真や絵などが展示されている。特にオランダ軍との最後の抗戦(ププタン)を描いた油絵は迫力があるので、じっくりと鑑賞したい。