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この地方に盛えたバンリ朝の時代には王国の寺としてあがめられた古刹。11世紀頃、スリ・ブラフマ・クムティ・クトゥSri Brahma Kemuti Ketuによって建立されたものといわれ、バンリの北外れ、小高い丘の上から町を見下ろすように建っている。寺院前に着くと、まず見事な石彫りに飾られたテラスに目を奪われる。ワヤンの登場神を彫り込んだもので、これを見るだけでクヘン寺院へ来るかいがある。テラスの石段を上りきった先の境内は、3段に分かれている。入口に近いほうから外境内(ジャバJaba)、中境内(ジャバ・トゥンガJaba Tengah)、奥境内(ジェロアンJeroan)となる。
外境内に涼しげな木陰を造っているのは、樹齢600年を超えるという巨大なバンヤン樹だ。また、奥境内と中境内を仕切る壁に埋め込まれた中国陶器も見逃せない。バンリ王朝と中国との交易関係を示す貴重な資料だ。なお奥境内には、11層のメルや、ヒンドゥー3大神、ブラフマ、シヴァ、ヴィシュヌを祀る祠があり、神聖で厳かな雰囲気があふれている。